管理会社

マンション管理会社と賃貸管理会社は何が違う?意外と知らない2つの管理の役割

tamakimansion

私はマンション管理組合の理事を務めています。

理事会に参加していると、住民から

「管理会社に言ったのに対応してくれない」

という不満を耳にすることがあります。

一方で賃貸オーナーの立場で見ると、

「管理会社はもっと入居者対応をしてほしい」

という声もあります。

実は、このすれ違いの原因は多くの場合、

マンション管理会社と賃貸管理会社を同じものだと思っていること

にあります。「管理会社に連絡したのに対応してもらえない」「管理費を払っているのだから何でも相談できると思っていた」。マンションでは、このような勘違いからトラブルになるケースが少なくありません。

同じ「管理会社」でも、管理する対象も契約相手も役割もまったく異なります。

今回は、マンションに住んでいる方や区分所有マンションのオーナー向けに、2つの管理会社の違いをわかりやすく解説します。


1. 「管理会社」と聞いて思い浮かべるもの

マンションに住んでいると、「管理会社に聞いてみよう」という言葉をよく耳にします。

しかし、その管理会社が「マンション管理会社」と「賃貸管理会社」

のどちらを指しているのかによって、できることが大きく変わります。

例えば、

  • エントランスの照明が切れている
  • エレベーターが故障した
  • 共用廊下が汚れている

といった問題は、共用部分を管理するマンション管理会社の担当です。

一方、

  • 自室のエアコンが壊れた
  • 転勤のため、退去したい
  • 入居者募集をしてほしい
  • 家賃を回収してほしい
  • 退去立会いをしてほしい

といった業務は賃貸管理会社の担当になります。

まずは、それぞれの役割を整理してみましょう。


2. マンション管理会社とは

マンション管理会社とは、管理組合から委託を受けてマンション全体の管理を支援する会社です。

管理の対象は、マンションの「共用部分」です。

例えば、

  • エントランス
  • エレベーター
  • 駐車場
  • 集会室
  • ゴミ置き場
  • 外壁
  • 屋上
  • 廊下や階段

などが対象となります。

主な業務

① 建物・設備の維持管理

  • 清掃
  • 設備点検
  • エレベーター保守
  • 消防設備点検
  • 修繕計画の提案

② 管理組合の運営支援

  • 総会運営サポート
  • 理事会支援
  • 議事録作成
  • 管理費等の出納業務

③ 居住環境の維持

  • 共用部分の巡回
  • 利用ルールの周知
  • 共用部分の不具合対応

つまり、マンション管理会社は「マンション全体の資産価値を維持するためのパートナー」なのです。


3. 賃貸管理会社とは

賃貸管理会社は、マンションオーナーから委託を受けて賃貸経営をサポートする会社です。

管理の対象は、オーナーが所有する部屋(専有部分)です。

主な業務

① 入居者募集

  • 不動産ポータルへの掲載
  • 仲介会社への営業
  • 内覧対応

② 家賃管理

  • 家賃回収
  • 滞納督促
  • 送金業務

③ 入居者対応

  • 設備不具合対応
  • クレーム対応
  • 契約更新

④ 退去対応

  • 退去立会い
  • 原状回復工事
  • 敷金精算

賃貸管理会社は、「オーナーの賃貸経営を支えるパートナー」と言えるでしょう。


4. 2つの管理会社の違いを比較

項目マンション管理会社賃貸管理会社
契約相手管理組合部屋のオーナー
管理対象共用部分専有部分
目的建物維持・資産価値向上賃貸経営サポート
管理費の原資管理費・修繕積立金家賃収入
主な業務清掃、点検、理事会支援募集、集金、退去対応
主な相談者管理組合、居住者オーナー、入居者

一番分かりやすく言えば、

マンション管理会社は「建物全体」を管理し、賃貸管理会社は「1部屋」を管理する。

これが大きな違いです。


5. よくある勘違いとトラブル

ケース① 騒音問題

隣の部屋がうるさいのでマンション管理会社へ相談。

しかし、その部屋が賃貸の場合、マンション管理会社は直接入居者を指導できないことがあります。

賃貸管理会社やオーナーを通じて対応するケースも少なくありません。


ケース② エアコン故障

賃貸入居者がマンション管理会社へ連絡。

しかし、エアコンが専有部分の設備であれば、対応するのは賃貸管理会社やオーナーです。

マンション管理会社の業務範囲ではありません。


ケース③ 空室募集

区分所有者が

「管理会社に空室募集をお願いしたい」

と相談しても、マンション管理会社では対応できません。

入居者募集は賃貸管理会社または仲介会社の業務です。


ケース④ 水漏れトラブル

実際には最も判断が難しいケースです。

  • 室内配管の問題なら専有部分
  • 共用配管の問題なら共用部分

となるため、マンション管理会社と賃貸管理会社の両方が関わることがあります。


6. オーナーと居住者が知っておくべきポイント

マンションでトラブルが発生した際は、

まず

「共用部分の問題か」

それとも

「専有部分の問題か」

を考えることが大切です。

共用部分なら

  • マンション管理会社
  • 管理組合

へ相談

専有部分なら

  • 賃貸管理会社
  • オーナー

へ相談

となります。

相談先を間違えると、解決までに余計な時間がかかってしまいます。


7. まとめ

マンション管理会社と賃貸管理会社は、同じ「管理会社」という名前が付いていますが、役割は大きく異なります。

  • マンション管理会社は「建物全体」を管理する
  • 賃貸管理会社は「部屋」を管理する
  • 契約相手も業務内容も異なる
  • トラブル時は共用部分か専有部分かを見極めることが重要

マンションに住んでいる方、区分所有マンションを所有している方は、この違いを理解しておくだけで、多くのトラブルを避けることができます。

「どこに相談すればいいかわからない」という状況になったときは、まず『その問題は建物全体の問題なのか、それとも自分の部屋の問題なのか』を考えてみてください。それが適切な相談先を見つける第一歩になります。

ABOUT ME
マンション暮らしメモ
マンション暮らしメモ
総会と理事会に参加している人
はじめまして。マンション管理組合のことを、日々考えながら暮らしているブログ運営者です。 これまで総会にはできるだけ欠かさず出席し、今は理事会にも参加しています。最初は「自分に何ができるのだろう」と戸惑うことばかりでした。修繕のこと、お金のこと、住民それぞれの考え方のこと。ひとつ決めるにも、思った以上に時間と気遣いが必要だと感じています。 管理組合の仕事は、目立つものではありません。それでも、誰かが向き合うことで、マンションで暮らす人たちの毎日が少し安心できるものになる。そんな大切な役割だと思っています。 このブログでは、理事会や総会に実際に関わる中で感じたこと、調べたこと、迷ったことを、できるだけ背伸びをせずに書いていきます。 完璧な答えを示せるわけではありません。けれど、「自分だけが悩んでいるわけではない」と思える場所になれたらうれしいです。管理組合のことを、ひとりで抱え込まないために。
記事URLをコピーしました